関西マレー世界研究会は、日本マレーシア学会(JAMS)の連携研究会の1つです。
関西マレー世界研究会は、JAMS関西地区のメンバーを中心に、京都を拠点に2006年4月に活動を開始しました。マレーシア・インドネシアや近隣地域を含むマレー世界について関心をもったさまざまな分野の人が所属による枠を超えて集まり、読書会および研究会を通して同地域に対する理解を深め、また同地域を理解する枠組を鍛えあうことをめざしています。京都大学地域研究統合情報センターを主な会場として、夏休みと春休みを除いた期間、研究会と読書会を組み合わせた研究会合を毎月1回開催しています。
研究会セッションでは、博士論文や修士論文の構想や研究計画、より広い視野へのアプローチや隣接学問とのコラボレーションを意識した地域研究の可能性の模索、マレー世界を理解する枠組の提示など、さまざまな研究報告が行われています。いずれの研究報告にも共通しているのは、データの細かさで勝負するのではなく、それをどのように組み立てればどのような像が描けるかに主たる関心が寄せられている点です。知識の共有にとどまらず、ディスカッションではさまざまなアイデアが飛び出す興味深い会が続いています。
読書会セッションでは、現在、
William Roff. 1994(1967). The Origins of Malay Nationalism. Oxford UP.
を講読しています。
研究会/読書会は月一回の開催を基本としていますが、開催日は報告者や会場の都合などによって決めるため、第何週目の何曜日に開催するか決まっていません。また、海外への調査が重なる期間の開催も見合わせています。案内はJAMS会員用メーリングリストを通じて行っています。
(関西マレー世界研究会は2008年12月に活動を中断しています。)
関西マレー世界研究会の活動はJAMS会員用メーリングリストで随時ご案内します。
■2008年度
- 5月4日、5日、京都大学中央研究総合2号館447大会議室
関西マレー世界研究会主催 公開フォーラム「「民族の政治」は終わったのか――2008年マレーシア総選挙の現地報告と分析」
○基調報告:鳥居高(明治大学)
「BN体制とは何か:仕組みと特徴」
○セッション1 BN体制の変容?――マクロ政治からの視座
報告:中村正志(アジア経済研究所)
「データで見る第12回総選挙結果の特徴」
報告:金子芳樹(獨協大学)
「政治システムは変わるか――2008年総選挙における3分の2議席割れの政治的意味」
報告:鈴木絢女(日本学術振興会特別研究員・東京大学)
「争点と政策空間の変容からBNへの投票行動を説明する」
○セッション2 BN体制への対応(1)――民族別の改革の試み
報告:篠崎香織(在マレーシア日本大使館)
「華人がいま代表者に求めている役割」
報告:塩崎悠輝(同志社大学大学院/在マレーシア日本大使館)
「マレーシア・イスラーム党(PAS)の新路線と第12回マレーシア総選挙」
○セッション3 BN体制への対応(2)――民族間関係の再編の試み
報告:伊賀司(神戸大学大学院)
「新世代と『オールタナティブ・メディア』:総選挙の裏側で起こっていた地殻変動」
報告:川端隆史(外務省)
「「新党」は政治変革をもたらすのか:マレーシア政治の視点から」
○セッション4 「地方の論理」をどう読み解くか
報告:河野元子(京都大学大学院)
「トレンガヌ・マレーの選択:なぜ、スイングしなかったのか」
報告:森下明子(日本学術振興会特別研究員・京都大学)
「なぜサラワクとサバではBNが「圧勝」したのか」
報告:山本博之(京都大学)
「「サバBN圧勝」と「サバ人のサバ」のゆくえ」
詳しい情報はこちらを参照してください。
■2007年度
- 11月22日
報告:山本博之(京都大学地域研究統合情報センター)
「マレー・ナショナリズムとプラナカン」
- 10月25日
報告:加藤裕美(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
「マレーシア・サラワク州における森林開発と狩猟採集社会の再編」
- 6月28日
報告:管野愛(同志社大学神学研究科一神教学際研究コース修士課程)
「イスラームと結婚:現代インドネシアにおけるムスリムと異教徒の婚姻規定」
- 5月10日
報告:河野元子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
「現代マレーシアと地方マレーの抵抗 1971-2004:開発体制、イスラーム与野党対立、トレンガヌ・マレー社会」
- 4月18日
報告:村上咲(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
「20世紀インドネシアと保健」
■2006年度
- 3月6日
報告:小野林太郎(国立民族学博物館)
「海域世界の地域研究をめざして:民族考古学アプローチからの試み」
- 2月7日
報告:中田考(同志社大学神学部)
「マレー・イスラーム研究へ向けて」
- 2007年1月17日
報告:塩崎悠輝(同志社大学大学院生)
「ファジル・ヌールの時代:現代マレーシアのウラマーと国家」
- 11月2日
報告:市川昌広(総合地球環境学研究所)
「サラワク・イバン人の土地・森林利用:ドミニカのそれと比較できるか?」
- 10月12日
報告:山本博之(京都大学地域研究統合情報センター)
「マレーシアにおける連邦制と民族」
- 7月20日
報告:加藤裕美(京都大学大学院院生)
「熱帯雨林の資源をめぐる狩猟採集民の社会変容」
- 6月22日
報告:森下明子(京都大学東南アジア研究所研究員)
「カリマンタンとサラワクの政治」
- 5月25日
報告:内藤大輔(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
「マレーシアにおける森林認証制度と地域住民」
- 山本博之(京都大学地域研究統合情報センター)
- 河野元子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
日本マレーシア学会(JAMS)