マレーシア修学旅行事前講習
近年、日本の高校ではマレーシアを修学旅行先にするところが増えています。日本と距離が近い東南アジア諸国のなかでも、30年にわたって続けられてきたルックイースト政策(日本に学ぼう政策)にも見られるように、親日感情がかなり強いこと。地震・津波、洪水、台風などの自然災害がほとんどないこと。都市部を中心にかなりの部分で英語が通じるために意思疎通がしやすいこと。そして、比較的物価が安く、食べ物も日本人の口にあい、生活しやすいこと。マレーシアは、世界の国々の中でも、かなり安全に、そして安心して訪れることができる国の1つです。
その一方で、マレーシアには日本と大きく異なる面があり、日本社会に慣れ親しんだ人たちが身をもって異文化を体験するよい機会ともなります。マレーシアは、民族ごとに母語や生活習慣や宗教が異なる多文化・多言語・多宗教の社会です。言葉や価値観が全く異なる人どうしが隣人や同級生・同僚として1つの社会を作っているマレーシアは、国際社会で生きていく上で必要な知恵や工夫がたくさんあります。また、多言語・多民族・多宗教であるからこそ、他人の言語・文化・宗教を受け入れる寛容さが養われるとともに、自分の言語・文化・宗教に対する強い思い入れも育まれています。
マレーシアに修学旅行に行く前の高校生を対象に、JAMS会員が、講演や映画上映などを通じて、マレーシアとはどのような成り立ちの社会なのかについて事前講習を行っています。なお、これは地域研究コンソーシアム(JCAS)の「オンデマンド・セミナー」プログラムとして行われているものです。ご関心がある学校関係者はJAMS事務局までお問い合わせください。