過去2年間のJAMSは、鈴木陽一前運営委員長の手堅い運営により、着実で安定した学会・研究会活動が展開されてきました。さて、その後を引き継ついで発足した2008/09-2009/10年度の新体制では、次の5つをJAMSの運営方針として、その実現化に努力を傾注してまいりたいと存じます。
すなわち、第1は、ウェブサイトや会報『JAMS News』を通じた情報発信の強化です。第2は、関連する諸学会・研究会や研究プロジェクトとの連携の強化です。第3は、既存の研究機関などに所属しないで研究活動を展開している、いわゆる市民研究者や実務家との連携強化を通し、新たな研究の可能性を模索することです。第4は、JAMSを母体とした研究プロジェクトの企画・実施の可能性について模索・検討することです。そして、第5は、懸案となっておりました「JAMSの学会化」問題の本格的な検討であります。
そうした5つの目標を達成するためには、連携ウィング、ワーキンググループ(WG)などの設置が必要となりますが、この件については、既に昨年の会員総会において承認をいただいております。現在はそれらの設置、担当者及び人員の配備も完了し、それぞれが稼動を開始したところです。 以上のように、今期の2年間は、いくつかの大胆な改革を通してJAMSの再活性化を試みる2年間であります。その実行のため、会員の皆様にご支援並びにご協力をお願いすることも多かろうと存じます。その点をご理解いただき、運営委員から の要請を受けられました際には、何卒旧に倍したご協力をいただきますよう、お願い申し上げます。2008年4月
運営委員長 西尾寛治
2008/09-2009/10年度の運営方針(ダウンロード)
今期のJAMS運営委員会は、次の5つを活動の柱としてJAMSを運営します。
1.ウェブサイト・会報を通じた情報発信の強化上記の1〜5の活動を進めるため、事務局のほか、運営委員会内にそれぞれ以下の局・ウィング・WGを置きます。
1.広報局
現在、マレーシアやその近隣地域を研究対象とする学会・研究会や研究プロジェクトは少なくありません。ときには同じ日に別の会場で似たようなテーマの研究会が開催されることもありますが、それが相互の連絡不足によって生じているとしたらそのような事態を防ぎ、学会・研究会や研究プロジェクトどうしの交流を促進するため、JAMSでは「研究連携ウィング」を設置しました。
研究連携ウィングは、学会・研究会や研究プロジェクトなどの研究グループの代表者(幹事、世話役、大会担当者など)が集まり、
(1)大会や研究会の日程が重複しないように企画段階から情報交換を行う場
(2)研究会を企画する上で適切な報告者を探す情報交換を行う場
(3)共同で研究会を企画する場
となることを目指して運営されています。
現在、研究連携ウィングには以下の研究グループの関係者が参加しています。
JAMS運営委員
−大会担当委員
−関東地区委員
−関西地区委員
JAMS連携研究会の世話人
−日本マレー世界研究会
−関西マレー世界研究会
−クアラルンプール地区研究会
学会・研究会
−東南アジア学会
−アジア政経学会
研究プロジェクト
−「イスラム教圏東南アジアにおける民族・宗教と社会の複層化」(代表者:山本博之)
−「マレー世界における地方文化」(代表者:新井和広)
−「公共領域としての地域研究の可能性:東南アジア海域世界における福祉の展開を事例として」(代表者:西尾寛治)
JAMSの活動に関連する研究グループで連携研究ウィングへの参加を希望するグループがありましたら、研究グループ代表者よりJAMS事務局までご連絡ください。
担当委員
今日、研究者コミュニティは多様化しています。既存の学問的ディシプリンを身につけて教育・研究機関に身を置く「機関研究者」や、家庭人、企業退職者、外交や援助の実務家などの「市民研究者」など、多種多様な研究者がさまざまな研究活動を行い、それぞれの分野で業績を上げています。
JAMSでは、このような幅広い研究者の協働によって、多様化する研究者コミュニティの知識や経験を学問的ディシプリンの中に取り上げ、それらを緩やかに学術研究の成果として結実させることができ、同時に、そのようにして得られた学術研究の成果を効果的に社会に還元することができるものと考えています。また、「機関研究者」と「市民研究者」との交流を促進することで、双方の研究者による研究のさらなる活性化を促すことになると考えています。
このことは、大学が教育拠点としての位置づけを増している今日において、大学等の教育・研究機関では十分に取り込めない多様な研究者を学界に取り込むことにつながり、地域研究の新たな方法論を切り拓くことに加え、研究拠点としての学会・研究会の充実化などにも寄与するところが大きいと考えます。
社会連携ウィングでは、担当する運営委員のほかに多様な背景を持つ外部委員から構成され、「機関研究者」と「市民研究者」との間で研究や発表の方法に対して考え方やニーズがどのように異なっているのか、どの程度であれば両者が相互に受け入れ可能な形となるのか、などの点を、実際の研究活動を通じて検討します。あわせて、大学等の教育・研究機関が集中する大都市圏以外で教育・研究活動をどのようにして活性化できるのかという課題などについても積極的に取り組みます。
担当委員
JAMSにはマレーシアおよびその近隣地域を研究する会員が多数集まっていますが、それらの会員をどのように結びつければ学問上も社会的にも意義のある研究テーマが浮かび上がってくるか、そしてそれを実現するためにはどのような形で研究組織を作り上げるかなどの課題を検討し、実施するのがこのWGの役割です。
今年度は、試行として、社会連携ウィングと連携して「公共領域としての地域研究の可能性:東南アジア海域世界における福祉の展開を事例として」というテーマで研究会を行います。この研究会はJAMS関西例会として行います。
担当委員
JAMSでは、鈴木陽一前運営委員長のもと、学会化が検討されてきました。JAMSは、会員数190名、会費納入率80%以上であり、規約にしたがって運営され、年に1回の研究大会・会員総会を実施し、そのほかに関東・関西で地区活動を行い、年間3回の会報を発行しています。これはすでに実質的に学会であると言ってよく、JAMSは学会化の方向に向かうべきであるというのが前期運営委員会から今期運営委員会が引き継いだ課題です。
すでに学会に相当する活動を行っているため、学会化に伴って運営のための負担が特に増すとは考えられません。JAMSが社会において応分の発言力を持つうえで必要な負担が増す可能性はありますが、その負担はJAMSを通じた発信を行うためには当然引き受けるべき負担であり、学会化とは直接関係ないものであると考えます。
しかし、法人化、学会誌、会の名称など、学会化を検討するにあたって考えなければならない課題がいくつかあります。学会化検討WGでは上記の問題を含めてJAMSの学会化について検討します。
担当委員
JAMSの具体的な活動の3つの柱は、大会・研究会、会報『JAMSNews』、ウェブサイト(ホームページ)です。これらはいずれも、会員どうし、会員と学界、会員と社会を結ぶ場を提供するものです。会員、学界、社会を互いに結びつけることにJAMSの活動の意義があることをよく示しています。
この3つの柱のうち、広報に関わる会報『JAMS News』とウェブサイトを担当するために新設されたのが広報局です。今期は、ウェブサイトの定期的な更新および内容の充実、『JAMS News』とウェブサイトの連動などを通じて、JAMSの発信力をさらに高めて生きたいと考えています。
広報局へのご連絡は、広報局メールアドレス(journal_web@jams92.sakura.ne.jp)までメールでお寄せください。
担当委員
会計や会員情報をはじめ、JAMSの活動を支える業務を担当します。入会・退会、会員情報の変更、会員用メーリングリストなどについては事務局までお問い合わせください。
事務局へのご連絡は、事務局メールアドレス(secretariat@jams92.sakura.ne.jp)までメールでお寄せください。
担当委員